ユニーク・ブラボー・シネマ

ユニークさに欠ける凡人が、映画に溢れるユニークを味わいつくし喝采したい映画ブログ

『パットン大戦車軍団』感想 生まれる時代を間違えた男の第二次世界大戦

第二次世界大戦で活躍したアメリカ軍のジョージ・S・パットン将軍を描いた『パットン大戦車軍団』を鑑賞しました。 アカデミー賞で7部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、美術賞、音響賞、編集賞)を受賞した作品。 監督は『猿の惑星』などのフランク…

『きっと、うまくいく』感想 尻上がりに輝き始める映画

2013年公開のコメディドラマ『きっと、うまくいく』を鑑賞。 公開当時、周囲から良かったよとオススメされていたのにも関わらず、 インド映画に対する食わず嫌いでここまで先延ばしになっておりました。視聴前に2時間50分という長さであることを知り、また一…

『ポセイドン・アドベンチャー』感想 生き延びるためのシミュレーションをしてみた

1972年のパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』を鑑賞。 豪華客船ポセイドン号の転覆と、限られた者たちの脱出劇を描いた、パニック映画の元祖ともいわれる本作。テレビ放映されたのを一度観たことはあったけど、途中からだったのと昔すぎてほとんど覚…

『リンカーン弁護士』感想 弁護士vs依頼人

マシュー・マコノヒー主演の法廷サスペンス『リンカーン弁護士』。 最近プライムビデオで『TRUE DETECTIVE』の死ぬほどかっこいいマシュー・マコノヒーを見て、めっきりマコノヒーめいているので、未見だった本作を鑑賞しました。では、感想です。

『リヴァプール、最後の恋』感想 ジェイミー・ベルのダンスも見れるよ

『リヴァプール、最後の恋』。 往年のハリウッド女優グロリア・グレアムをアネット・ベニングが演じ、彼女と恋に落ちる若手俳優ピーター・ターナーをジェイミー・ベルが演じた歳の差ラブロマンス。ピーター・ターナー自らによる回顧録を映画化したものらしい…

『マトリックス』感想 今更1作目を初めて鑑賞

今更初めて観ましたシリーズ、前回の『ターミネーター』に続き、今回は1999年のSF映画『マトリックス』です。 『ターミネーター』とは違い、『マトリックス』は思春期と言える頃に話題になっていた作品なので、リアルタイムで観る機会はあったのですが、ワイ…

『チャイルド44 森に消えた子供たち』感想 トム・ハーディのロシア語なまり英語

少年たちを襲う連続殺人事件と、スターリン支配下のソ連の恐ろしさを描いた映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』 を鑑賞しました。 原作は、2009年の『このミステリーがすごい!』で1位に選ばれたトム・ロブ・スミスの『チャイルド44』 というミステリ…

『追想』感想 シアーシャ・ローナン主演、若き新婚夫婦の切ない顛末

ふらっとシアーシャ・ローナンに惹かれて視聴した映画『追想』(2018)。 ほとんど前情報なしで観たのですが、『つぐない』の原作者イアン・マキューアンの『初夜』という小説の映画化で、マキューアン自身が脚本も手掛けているようです。『つぐない』の演技…

『パティ・ケイク$』感想 最高の女版『8Mile』

『パティ・ケイク$』。まったくノーマークの作品でしたが、女性のラッパーものは今まで観たことがなかったため、興味本位で鑑賞しました。しかし!これが想像以上に良い映画で興奮いたしました。では、感想です。

『天才作家の妻 40年目の真実』感想 脇のクリスチャン・スレイターが良い

『天才作家の妻 40年目の真実』を鑑賞しました。 主演のグレン・クローズがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた映画です。では感想です。

『羊の木』感想 得体の知れない人間の怖さ

『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八監督作『羊の木』。 原作は漫画らしいですが未見。過疎化の進む港町に、仮釈放された6人の元殺人犯がやってくるという映画です。

『ゲティ家の身代金』感想 お金持ちじゃなくて良かったと思わせてくれる映画

リドリー・スコット監督『ゲティ家の身代金』を鑑賞。 劇場公開1か月前になってケヴィン・スペイシーが例のスキャンダルで降板、そこからクリストファー・プラマーを急遽代役に立てて撮り直し、無事予定通りの日程で公開させたという製作背景からしてもう凄…

ジョーカーだけじゃない!ヒース・レジャーの魅力が詰まった6作品

2008年夏、日本での『ダークナイト』公開の初日、その年に亡くなった故ヒース・レジャーのジョーカーを観るために映画館へ行った私はたまげました。「ヒース・レジャー、どこにも居ないじゃん…!」 喋り方、笑い方、声の出し方、身のこなし…それまで私が大好…

『ブロードウェイと銃弾』感想 ウディ・アレンが描く内幕もの

ブロードウェイの内幕ものコメディ『ブロードウェイと銃弾』。94年製作のウディ・アレン作品で、アカデミー賞に6部門ノミネート、ダイアン・ウィーストが助演女優賞を受賞した映画です。

『婚約者の友人』感想~フランソワ・オゾン監督が描く「嘘も方便」

フランソワ・オゾン監督の映画はなるべく追いかけるようにしていますが、まだ観ていなかった2017年公開の『婚約者の友人』 。戦争で婚約者を亡くしたドイツ人女性のもとへ、元兵士のフランス人青年が現れることから始まるサスペンスタッチなドラマでした。で…

『キートンの大列車追跡』感想~世界三大喜劇王バスター・キートンの代表作

世界の三大喜劇王と呼ばれる一人、バスター・キートンの『キートンの大列車追跡』を鑑賞。今までこの人の映像をチラ見したことは何度もあったけど、映画をちゃんと観るのはこれが初めてです。 ちなみに邦題は『キートン将軍』『キートンの大列車強盗』という…

『クリード 炎の宿敵』感想~息子たちの意地のぶつかり合いに号泣した映画

ボクシング映画の金字塔『ロッキー』シリーズで、主人公ロッキーのライバルであり親友だったアポロ・クリードの息子、アドニス・クリードを主人公とした作品の2作目『クリード 炎の宿敵』。 前作『クリード チャンプを継ぐ男』の前に一度『ロッキー』シリー…

『ペット・セメタリー』感想~子役ミコ・ヒューズのコワ可愛さと親父の心理

怖くはないけど、人間のどうにもいかない心理をついていたホラー映画『ペット・セメタリー』(1989)。スティーヴン・キング原作・脚本です。

『ワンダー 君は太陽』感想~太陽は、惑星を照らす

顔に障害を持って生まれた少年と、彼の周りの人々を温かい視線で描い監督は『ウォールフラワー』のスティーヴン・チョボスキー。主人公・オギーを演じたのは『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイ、彼を見守る両親をジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィル…

『ターミネーター』感想~今さら1作目を観て脚本の面白さを知る

出典:IMDb 今さらながら、『ターミネーター』(1984)を初めて鑑賞。同シリーズは、子供の頃にテレビでやっていた『ターミネーター2』と続く3作目の2本しか観ていなかった。2作目が最初だったために、1作目に戻って観ることを億劫に感じていたフシがある。 し…

『ある女流作家の罪と罰』感想~拝啓リー・イスラエル様

今から50年ほど前に作家・三島由紀夫が書いた 『三島由紀夫レター教室』という本があります。この本は、5人の登場人物による手紙がストーリー仕立てに紹介され、それがそのまま手紙の書き方を指南するレター教室になるという体裁をとった、一風変わった作品…

『女王陛下のお気に入り』感想と若干考察~三人の女優が凄いし、監督も凄い

ヨルゴス・ランティモス監督作『女王陛下のお気に入り』を鑑賞。 いやー観たかった作品だけど想像以上の面白さだったー。宮廷を舞台に繰り広げられる、女王アンと二人の女官の三つ巴の愛憎劇。これだけ聞けばよくありそうな宮廷ものに思えるけど、監督がヨル…

『アリー/スター誕生』感想~主役はブラッドリー・クーパー

1937年『スタア誕生』の3度目のリメイク版となる『アリー/スター誕生』。 既に音楽界のスターであるレディー・ガガが、スターへの階段を上がっていく主人公を演じる映画となると興味をそそられます。共演のブラッドリー・クーパーとどういう相性を見せてく…

『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』感想~ペドロ・アルモドバル監督デビュー作

『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』を鑑賞。 『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『私が、生きる肌』などのスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの商業映画デビュー作です。

『グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル』感想~ドランファン必見ドキュメンタリー

若きカナダ人監督、グザヴィエ・ドランのミニドキュメンタリー『グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル』を鑑賞。 ドラン監督のインタビューや、出演者・関係者のインタビューを集めて構成されてます。

『マザー!』感想~やっぱりアロノフスキーは好きになれなかった

ダーレン・アロノフスキー監督作『マザー!』を鑑賞。 ジェニファー・ローレンスが好きなのと、日本公開中止になった問題作とか聞けば逆に気になってしまうもので、鑑賞に至る。

『クワイエット・プレイス』感想~ツッコミどころ満載ホラー

常日頃から、ツッコミどころのある映画もスルーして楽しめるタイプの人間だと自分のことを思っていました。むしろ、やたらと映画のツッコミどころに厳しい人に対して「そんなに気にしすぎず楽しめばいいのに~」なんて思っていました。 そんな人間が、はぁ?…

『万引き家族』感想~えらいぞ!祥太

『万引き家族』を鑑賞。 是枝監督の作品は2004年の『誰も知らない』しか観たことがなかったことを今知って自分で驚く。話題作も多くて色んな情報が入ってくるので、勝手にもっと観ている気になっていた…。決して避けて通っていたわけではないです。 というこ…

『U・ボート』感想~潜水艦ものの名作

いつか観ようとずっと思っていた、潜水艦もの戦争映画の金字塔『U・ボート』(1981)をついに鑑賞しました。 観れるのが長尺のディレクターズ・カット版だけという状態だったので、時間を作る必要がありました。その長さ、3時間28分。(ちなみに当時の劇場版は…

『gifted/ギフテッド』感想~天才少女の教育をめぐるお話

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督作『gifted/ギフテッド』を鑑賞しました。ギフテッドとは タイトルにもなっている「gifted」は日本語で「優れた才能のある」とか「ずばぬけた知能を持つ 」という意味になるそうで、この映画に出てくる天才少女メ…