ユニーク・ブラボー・シネマ

ユニークさに欠ける凡人が、映画に溢れるユニークを味わいつくし喝采したい映画ブログ

『ターミネーター』感想~今さら1作目を観て脚本の面白さを知る

f:id:shimauman:20190907161559j:plain

出典:IMDb

今さらながら、『ターミネーター』(1984)を初めて鑑賞。同シリーズは、子供の頃にテレビでやっていた『ターミネーター2』と続く3作目の2本しか観ていなかった。2作目が最初だったために、1作目に戻って観ることを億劫に感じていたフシがある。

しかし、1が面白いから2が制作されたわけなので、ここはちゃんと観ておこうと思い立って、遅ればせながらの鑑賞に至りました。

作品概要

The Terminator/1984年製作/108分/アメリ
監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガーマイケル・ビーンリンダ・ハミルトン

 

あらすじ

核戦争後の近未来では、人類と機械軍の争いが続いていた。機械軍は人類の指導者であるジョン・コナーを歴史から抹消するため、1984年のロサンゼルスへ殺人アンドロイド、ターミネーターを送り込む。目的は、ジョン・コナーを産むことになる母サラ・コナーを殺すためだった。彼女を救うため人類側の戦士カイル・リースもそこへ送り込まれ、人類の生存をかけた戦いが始まる。

 

感想(ネタバレあり)

なるほど、『ターミネーター』ってこんな話だったのか…。シュワちゃんが敵役だったっていうことや、ジョン・コナーを産ませないためにサラ・コナーを殺しに来たっていうことは知っていたけど、カイル・リースという男の役割はまったく分かってなかった。たまにテレビの特集でターミネーターの映像が出ると、男の人居るなあ…くらいにしか思っていなかったけど、めちゃくちゃ重要な役じゃないか。どこで間違ったのかは分からないけど、博士みたいな人だという誤情報まで持っていた。(これは2と混同しているのかも)

サラ・コナーと同じ時代を生きる人だとも思っていたため、彼がシュワちゃんのあとに光を帯びて裸で舞い降りたのにはふつうに驚いた。しかも後々、その彼がサラ・コナーといい感じの雰囲気になって、ようやく私は気付く。彼がジョン・コナーの父親だったということを。

ターミネーター』は冷徹無比シュワちゃんが怖いという話はよく聞いていたけど、ストーリーも面白かったことがようやく分かった。

2では最初から強い女性だったサラ・コナーが、ドジなウエイトレスだったのも驚きの一つ。この映画はサラ・コナーの成長物語でもあって、彼女の変化していく姿も見ものでした。足を負傷してうずくまるカイルに「on your feet!ソルジャー!!!」と発破をかける場面なんか、土壇場での彼女の姿に涙がにじんできたほど。映画のラストでは、お腹に息子を身籠った彼女が完全にタフな女になっていて素敵でしたわ。ジェームズ・キャメロンの十八番であるタフな女主人公たちは、女の自分から見て憧れさせてくれるものがあるのが良い。

それから2にも使われているシーンを結構発見して、1作目からあったのか~って思ったりしたのと、シュワちゃんが自分で治療していたシーンも面白かった。

既に2を見てしまっているため、シュワちゃん演じるターミネーターの怖さは1から見た場合と比べて、だいぶ薄れてしまっていたと思うので残念。どうせ2では味方だしっていう感覚があるから、それほど絶望的な怖さは感じなかった。一回倒してるってことも知ってたわけだしね。

それから今の感覚からすると、怪我をしたターミネーターの顔など、ところどころで違和感がある場面も多い。とはいえ、当時の技術からするとしょうがなかったことなのだろう。ちなみに2を初めて観たときは、新ターミネーターT-1000のCGに子供ながら度肝を抜かれたのを覚えている。ここからCG技術がどんどん発展していったというからジェームズ・キャメロンってやっぱりすごい人なんだなと思う。1作目の成功があったからお金を使えたというのもあるようだ。

リアルタイムで観たい作品だったけど、脚本も素晴らしくて、今見ても面白い作品でした。しかし、あの両親からエドワード・ファーロングみたいな度を越した美少年が生まれるものだろうか。