『ポセイドン・アドベンチャー』感想 生き延びるためのシミュレーションをしてみた
1972年のパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』を鑑賞。
豪華客船ポセイドン号の転覆と、限られた者たちの脱出劇を描いた、パニック映画の元祖ともいわれる本作。テレビ放映されたのを一度観たことはあったけど、途中からだったのと昔すぎてほとんど覚えていなかったので観直すことに。 では、感想です。
作品概要
The Poseidon Adventure/1972年製作/117分/アメリカ
監督:ロナルド・ニーム
出演:ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、キャロル・リンレー、ロディ・マクドウォール、シェリー・ウィンタース、パメラ・スー・マーティン、ステラ・スティーヴンス他
あらすじ
大晦日の夜、パーティで賑わう豪華客船ポセイドン号を海底地震によって突然発生した大津波が襲った。一瞬の内に船は転覆。生き延びた人々は生存を賭けて、天地が逆転した船内からの脱出に挑む。
allcinemaより引用
感想とシミュレーション(若干ネタバレあり)
やはり今観ても面白い。前半の人間模様などは今回初めて目にし、一人一人にスポットを当てた群像劇チックな作りになっていたことを知る。そして転覆シーンの阿鼻叫喚の地獄絵図が凄まじい。『タイタニック』の転覆シーンがこの映画の影響を受けている(というか参考にしている?)のがよく分かる。ジーン・ハックマンやアーネスト・ボーグナインといった俳優たちによる、それぞれキャラの立った役で脱出劇が進んでいくのも面白い。助かるために諦めずに進んでいくことの大切さも説いている。
こういう映画を観ていると必然的に、自分だったらどうか、と考えながら観てしまうのだけど、私だったら最初の時点で死んでそうなので、この映画から得た学びを活かして、生き延びるため、もしくは足手まといにならないためのシミュレーションをしてみた。
シミュレーション~8つの試練
~私は日本人アラサー女。日頃の疲れを癒す一人旅のため、豪華客船ポセイドンに乗り合わせる~
試練1、船酔い
転覆以前に、まず船酔いという厄介な問題が発生。3D映画も席によって酔ってしまう私には船なぞ到底無理だった(本作の揺れの演出にさえちょっと気持ち悪くなってしまったのだ)。刑事の妻(元娼婦)と同じく、ドクターに薬を処方してもらう。あらかじめ酔い止め薬を飲んでおくことが一番だろう。
試練2、転覆
海底地震で船が転覆。パーティールームが傾斜し、上下逆さまに。人がゴロゴロと落ちていく。ここでもう生死を分ける大惨事なわけだが、この突然の悪夢にも冷静に対応しないといけない。本来の私なら、とにかく物にしがみつこうとするはずだが、どうやらそれはここでは転落事故を生むようだ。傾斜が緩いうちに、コロコロと下まで転がっておくのがベストと見える。上から落ちてくるものから自分を守るため、何かで頭を押さえておくと尚良し。
試練3、上がるか残るかの選択
牧師の言うことを聞き、救出を求めて上まで昇っていくか、それとも乗組員の言うことを聞いて、下に残ったまま助けがくるのをひたすら待つか。which your choice? 「乗組員の言ってることだし、みんなこっち選んでるし…」と残ることを選択しそうだが、牧師の言ってることのほうが説得力がある!確かに下に居たら一番救助が遅いし、死ぬ可能性が高い!理屈で考えることが大切だ。ここはいっちょ賭けにでるか。→上がるほうを選択。クリスマスツリーを使って上がるが、女性陣はドレスが邪魔なので脱ぐ必要があるらしい。めちゃんこ可愛い美脚の少女のあとに足を晒すのはしんどいが、生き延びるためにはしょうがない。
試練4、ダクト突破
換気塔というところに出るために、ダクト内を這って移動。これ一度やりたかったやつだよ! 嬉々としてくぐり抜ける。
試練5、はしご登り
正直ここが一番しんどい。足を踏み外したら終わりだという恐怖。ビビリなため手足が震える。しかも急に振動が来て死人まで出る。動けなくなる歌手ノリーの気持ちがよく分かる。しかし他の人に迷惑はかけたくない。とにかく下を見ずに、気を確かにして上がる。
試練6、待機
牧師が先を見てくるので待機することに。それにしても牧師と刑事の喧嘩が終始うるさい。しかし先頭切って一生懸命やってくれてるので文句は言えない。その辺ブラブラしてて良いよと言われるも、方向音痴なため動かないほうが良いだろう。大人しくその場で待機。
試練7、息止めスイミング
目的地へ向かうには浸水した場所を潜って行く必要が。泳ぎはできるが、息を止めていられるかが心配だ。30数秒くらいと言っていたけど、実際はそれ以上かかってそうだった。いま時計で計ってみたら1分30秒ほど息止めできた。これならギリいけそうだ! 懐中電灯を落とさないように注意して泳ごう。
試練8、蒸気バーン
ここは見守ることしかできない。勇気ある行動に胸を打たれる。亡くなっていった人たちの死を無駄にしないためにも頑張って生き延びねば。
最終地点
救助隊に発見され、無事脱出成功!!!
どうにか、どうにか私はポセイドン号で生き残ることができました!
やりました!やりましたあああ!…
どこかの誰かが言っていた。「映画を観ることとは人生のシミュレーションである」と。
いつ来るか分からぬその日に備え、今日も私は映画から学ぶ―