『ミッション:インポッシブル フォールアウト』感想~とにかく死なないでくれ
わたくし、実は初めて好きになった俳優がトム・クルーズで、きっかけはテレビで観た『ミッション:インポッシブル』第1作目でした。
小さい頃には兄が借りてくるジャッキー映画やシュワちゃん映画ばかり観ていて、初めて目にする正統派イケメンのかっこよさに12歳の私はクラクラとやられてしまい、その後『ザ・エージェント』をテレビで観て本格的にファンになったものでした。
そんなトム・クルーズ主演、「ミッション:インポッシブル」シリーズの6作目となる『 ミッション:インポッシブル フォールアウト』を鑑賞したので感想です。
作品情報
原題:MISSION: IMPOSSIBLE - FALLOUT
製作年:2018年
製作国:アメリカ
上映時間:147分
配給:東和ピクチャーズ
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ショーン・ハリス他
あらすじ
盗まれた3つのプルトニウムの回収に成功したIMFのエージェント、イーサン・ハント。だが、仲間を救出する際にプルトニウムを再び奪われてしまい、同時核爆発を未然に防ぐ新たなミッションが下される。手掛かりは“ジョン・ラーク”という男の名前と、彼が接触する“ホワイト・ウィドウ”と呼ばれる謎めいた女の存在のみ。世界に刻一刻と迫る〈終末の危機〉。チームの仲間や愛する人までもが危険にさらされ、幾つもの〈フォールアウト(予期せぬ余波)〉がイーサンに降りかかる…!
公式サイトより引用http://paramount.nbcuni.co.jp/mi6/
感想(ネタバレなし)
まず、端的に感想を述べると、ストーリーは怖ろしいほど頭に入ってこなかったけど、とにかくアクションがすごかった!!!
いや、これはストーリーを追うのが大変でした。本当に。
あとで知ったことによると、本作の脚本はアクション優先で、撮影しながら脚本を書いていったらしく、それでゴチャゴチャとした分かりにくいものになっているそうで私の理解力の問題だけじゃなかったんだ…と少し安心。
もともと煩瑣な登場人物と組み入ったストーリーを理解する頭がないうえに、前作の復習をせずほとんど覚えていなかったので、余計に頭に入ってこなかったんだと思いますが。
最初の辺りは説明的なシーンも多いため追うのに精一杯でしたが、結果的にはその煩わしさを吹き飛ばしてくれるほどのアクションシーンに胸がときめきまくりで、楽しかったー凄かったーというのが観終わっての感想です。
細かいことはネタバレありのほうに書いていきますが、とにかくトム・クルーズが体を張りすぎなので、こんなこと続けてたらいつか死んでしまうんじゃないかという不安がつきまといます。そんなすごいアクションシーンだらけの映画でした。
感想(ネタバレあり)
最初のスカイダイビングのシーンは、HALO(ヘイロー)ジャンプと呼ばれるパラシュートによる潜入作戦のためのものらしいですが(高い高度から降りて低いとこでパラシュートを開く方法。敵にレイダー感知されにくいとか)、トム・クルーズはこのシーンのために100回以上もダイブしたらしいですね。異常ですね。
普通の人間からしてみれば、こんなの1回飛ぶだけでも無理なのに、それを100回以上やるという。これは勇気の有無を通り越して、面倒くささの問題にもなってきます。
地上で同じシーンを100回撮るってだけでも役者は大変だなーと思いますが、ヘイロージャンプを100回。上がって、降りて、諸々の準備して、また上がって、また降りてっていうのを100回繰り返すんですよ。何日にも渡って。スタッフも役者もどれだけ大変か。
面倒くさがりな自分はもうそこに感心してしまいます。本当に頭が下がる。
ところでこのシーン、CIAが立てた監視人ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が、イーサン(トム・クルーズ)の酸素ボンベの線みたいなやつを外して先に飛んでいきますが、私はこの場面で「ウォーカー早くも正体(何かしらの敵)をあらわしやがった!」と思っていたら、普通に線みたいなのを付け直してイーサンがあとから飛んでったので「な、なんだ、すぐ付けられるやつか…。ただの意地悪か…」となりました。ええ、ただそれだけなんですが、これ私と同じように思った人ほかにも居ないですかね?ウォーカーが最初から怪しさムンムンなんで余計にそう思ってしまった…
敵のソロモン・レーン(ショーン・ハリス)の護送車を襲うシーンでは、車ごと水中に落とされたレーンが車中の水をかぶる寸前に、肺にたくさん空気を送り込む呼吸法をしてたのが何気に好きでした。冷静なやつめ。
それからイーサンが、というかもうトムがと言ったほうが早いけど、パリの街中をバイクで駆け巡るチェイスシーン。もちろんノーヘルで本人によるスタント。本人アクションだからこそ見せることのできるカメラワークやカットになっているから迫力満点です。またバイクが似合う似合う。スタントマンばりにアクションがこなせる才能といい、トム・クルーズはほんと何者なんでしょ。すごすぎる…
バイクの次は、車での逃走シーンをはさんで、今度はトム・クルーズの走りとビル間ジャンプを堪能するシーンがやってきます。このときトムさん56歳ですよ。異常だよ異常。
ベンジー(サイモン・ペッグ)のナビゲートっぷりにあなた現場担当で本当に大丈夫ですかと言いたくもなるが、そこはベンジーのご愛敬。おじさんなのにしっかりかわいいサイモン・ペッグも異常だよ。
そしてヘリコプターシーンですよ。ここは本当に最高でした!トム・クルーズ様ありがとおおおおって感じです。ヘリコプターの操縦を何時間も訓練して撮影に挑んだらしいトムさん。まあ、普通の俳優じゃ見れない画がたくさん見れます。あとこのシーンではちょっと切れ気味なイーサン・ハントなのがいいですね。かっこいい。
ヘリシーンあたりからのヘンリー・カヴィルの悪役っぷりも素晴らしかったです。スーパーマンより全然良いじゃんか!
脚本があれだってことは書きましたが、細かいことは置いておいて今回は前作につづきチームプレイでの勝利っていう感じが前面に出ててそれも良かった。やっぱりここでもサイモン・ペッグが良い味付けをしてくれますね。プルトニウムが入ってるかもしれない箱が開かずに苛立って銃で撃とうとして「んーん、ニュークリアアアァァ(核兵器)」と我に返るシーンは笑ったw そのあとも足手まといになってイルサに助けられてるしな。
イーサンの元奥さんが手伝う様子を聞きながら「I like her」となるイルサも類型的な描かれ方じゃなくてとても良かった。
最後元奥さんが、イーサンに「あなたが居てくれるおかげで安心して眠れるわ」と言ったシーンでは、なんだかトム・クルーズの頑張りと重なって、こちらも涙がにじむ始末でしたわ。
いや、本当にトム・クルーズさんありがとう。
そしてクリストファー・マッカリーとトム・クルーズのコンビはやっぱり最高ですね。『アウトロー』と『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が特に好きなトム作品ですが、このどちらもクリストファー・マッカリー。オール~のほうは脚本のみだけれども。トム・クルーズのイメージを逆手にとった見せ方も、本作のような王道の見せ方もでき、非常に楽しませてくれます。
最後に、トム・クルーズは危険なことしすぎてるので、とにかく死なないでくれとそれだけを願っています。