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サンドラ・ブロック主演、Netflix映画『バード・ボックス』感想

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Netflixオリジナル映画「バード・ボックス」より 出典:映画.com

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Netflixに登録してるくせにあまりNetflixオリジナル映画って観てないな…ってことで、軽い気持ちでちょっと気になっていた本作を観てみました。

サンドラ・ブロックが出てるってくらいで、事前情報ほとんどなしの鑑賞。

結論から言うと、ハラハラ系の終末もの映画で、ご都合主義的な設定なものの、時間を忘れて没頭できる映画でした。これ系の映画を観たのが久しぶりだったんで、飽きずに観れたというのもあるかもしれません。『ミスト』とかそういうタイプの映画です。

 

あらすじ

思いがけず子どもを身ごもったアーティストのマロリー(サンドラ・ブロック)は、ある日突然訪れた世界の終焉と人類滅亡の危機に直面する。残された幼い命を守れるのは彼女だけ。生き残るためにできることは決して“その闇“を見ないこと。マロリーは決死の逃避行を決意する―。

 Filmarksより引用https://filmarks.com/movies/81591

 

感想 

子供がかわいい

予告編(5分特別映像)を見てみてください。二人の子供がやたらとかわいいのです。

かわいい子供が出ていればどんな映画でもたいてい楽しめるということに最近気付き、自分でもそんな自分をちょっとどうかなって思っています。決して子供好きをアピールしているわけではありません。

しかもこの予告編の冒頭にもあるように、母親のサンドラ・ブロックが、鬼気迫る様子で必死に説明をしているショットから、さあその相手は?ってなると、こんなに幼い年ごろのかわいらしい坊やと少女が映されるんですよ。しかもきょとんとした顔して。いや、笑うしかない。二人のサイズ感まで完璧です。ここで私はこの映画に持っていかれてしまいました。

 

ハラハラドキドキ

ホラーな印象のすっかりついたサラ・ポールソンの暴走シーンにもあるように、「‟それ”を見ると死ぬ」という、どこかで聞いたことのある設定で話が進んでいき、どこからともなく逃れてきた人々が家の中に立てこもります。そこでこういう映画の醍醐味である、「住民トラブル」も巻き起こっていきます。ジョン・マルコヴィッチや『ムーン・ライト』のトレヴァンテ・ローズなど、役者もなかなかに豪華。

面白かったのは、“それ”を見ても死なない人がいる、という設定。 軽いネタバレになるかもしれないのでそれがどういう人かは割愛しますが、いい感じに怖さを追加してくれます。

あと、主人公が妊婦であることの面白みが生かされたシーンもあり、そこも結構笑えました。

 

見ることを制限された状況から、「見ること」について考える映画

サンドラ・ブロック演じる主人公は、死んだ父親の影響もあってか、もともと他人との間に距離を取ろうとする人間でした。お腹に身籠った子供を養子に出そうかとすら考えます。そんな彼女がこの世界の終末をきっかけにどう変化していくのか?というのが一つのテーマになってます。

<バード・ボックス=鳥かご>というタイトルが示すとおり、狭い鳥かごの中に入っている主人公が、見ることを極端に制限された状況に追い込まれて初めて<本当に世界を見ること>を知っていく。そんな映画です。サンドラ・ブロックは『ゼロ・グラビティ』と結構重なる役でした。

監督はスサンネ・ビアというデンマーク人の女性監督で、かつてラース・フォン・トリアーのドグマ方式で映画を撮っていた人です。『しあわせな孤独』という初期の作品を観たことがあったけど、交通事故の被害者の恋人が、加害者女性の旦那さん(マッツ・ミケルセン!)と不倫をするというなかなかアンモラルな話でした。本能を抑えられない人間たちを描き、マッツ・ミケルセン演じる医者なんかはどうしようもなく哀れで情けない男でした。

もともとドラマを撮るのが得意な人のようなので、そのあたりのエモーショナルさが本作の味付けにもなってるんだと思います。

他の作品に好きな俳優が結構出てるようなので今後観てみようと思います。