ユニーク・ブラボー・シネマ

ユニークさに欠ける凡人が、映画に溢れるユニークを味わいつくし喝采したい映画ブログ

『ボヘミアン・ラプソディー』感想

今更ながら『ボヘミアン・ラプソディー』を観ました。

基本的に今更ながらな映画レビューばかりですみません。

 

 

あらすじ

1970年、ロンドン。ライブ・ハウスに通っていた若者フレディ・マーキュリーは、ギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーのバンドのボーカルが脱退したと知り自らを売り込む。二人はフレディの歌声に心を奪われ共にバンド活動をし、1年後、ベーシストのジョン・ディーコンが加入。バンド名は<クイーン>に決まり、4人はアルバムを制作し、シングル「キラー・クイーン」が大ヒット。個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、その後もヒット曲が次々に生み出され、フレディは“史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし、栄光の影で次第にフレディはメンバーと対立し孤独を深めていくのだった…。

 公式サイトより引用 http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/

 

感想

観る前のQUEENとの個人的な距離感

まず、典型的な断り書きとしてQUEENとの鑑賞前の距離感について。

QUEENに関しては、二十代前半くらいの頃に「JEWELS(ジュエルズ)」というベストアルバムを借りて、上がる名曲の数々にすげえええってなって、しばらくの間リピートしていました。さらに記憶を辿れば、今は亡きヒース・レジャーの主演映画『ロック・ユー!』をDVDで観ていて、挿入歌の「We Will Rock You」を聴いたのがQUEENとの最初の出会いでした。そのときもこの曲かっけー!ってなったのを覚えています。あとは、ロンドンオリンピックの閉会式にQUEENが出てきたときは興奮しました。

基本的にUKロックが好きだったので、QUEENはそのなかの好きなバンドの一つ、という感じで、まったく知らないわけではないけど、ベスト盤しか聴いてないし、ましてやバンドの歴史なんかにも全くもって疎いです。フレディ・マーキュリーが同性愛者でエイズで亡くなったことはもちろん知ってましたがそのくらいの知識でした。

 

雑多な感想まとめ

さて、そんな私が本作『ボヘミアン・ラプソディー』を観た雑多な感想をまとめると、

  • やっぱりQUEENの曲は名曲が多い
  • フレディの出自や、出っ歯だったことを知らなかった
  • フレディが女性と付き合ってたことを知らなかった
  • 名前だけじゃなくて番号交換くらいしてくれても良かったんじゃ…
  • ロジャー・テイラー(ドラマー)役の人、かわいい顔してんな
  • フレディ以外のメンバー3人がみんな良識的な人たちで好感が持てる
  • ライブシーンが圧巻
  • ラミ・マレックにフレディが憑依している…!
  • しかし、ドラマ部分は割と平凡だったかも
  • しかし、ライブシーンが圧巻なのでそれはもうどうでもいい
  • ドンッストッピーナアアアウ(熱唱)

  < 完 >

 

最高の瞬間で終わるのが良い

とにかくライブシーンの圧巻っぷりに尽きます。この映画のスタートとクライマックスをライヴ・エイドのシーンにしたのは正解中の正解ですね。アーティストの最高の瞬間で突き抜けてくれて本当に良かったです。

こういうアーティストや芸術家畑の人たちの伝記映画によくあるのが、私生活の不幸や破滅的な生活にスポットライトを当てすぎてて、陰気な作品になることです。陰気になるだけならまだ良いんですが、映画の制作者が、その人物の人生をつまらないものだったように断定して描くことがあります。例えば作家のフランソワーズ・サガンの伝記映画『サガン 悲しみよこんにちは』では、サガンは作家としては成功したかもしれないが、私生活は寂しい人生だった…と感じさせて終わる映画でした。こういう映画に遭遇するたび、なんであんたがそんなこと決めるんだよって本当にイライラするんですよね(笑)。特に作家だと、その人の本当の部分は内側にあって、だから小説を書いて表現してるのに、そこに描かれてるもので判断せずに外側だけを見てる。別に私生活の不穏を描いてもいいけど、まずその人の表現をきちんと描いてからにしてくれ!って本当に思います。

そういう思いが常々あったんで、ステージ上の本当に美しい、最高の瞬間を切り取って終わる本作にはとても溜飲が下がる思いがしました。

椎名林檎がNIPPONという曲で歌っています。「あの世へ持っていくさ、至上の人生、至上の絶景」と。もうまさにこういうことじゃないでしょうか。

 

映画の感想を外れてちょっと熱くなってしまって、後で読んだら多分恥ずかしいやつです。終わります。